皆さんこんにちわ。この記事では専門職向けに支援過程で困りそうなことに対して、何かヒントをご紹介していきます。
今回は身寄りがない人や身寄りがあてにできない人を支援をするときに、必ず頭をよぎる「成年後見制度」のスクリーニング例や必要性、リスクの判断に役立つチェックポイントをまとめてみました。
この記事をみてわかること
- ★ 本人の判断の能力のスクリーニングのポイント
- ★ 成年後見制度の必要性のポイント
- ★ リスクの判断のポイント
本人の判断能力スクリーニング例
成年後見制度の基本として「本人に何らかの精神上の疾患がありその影響で判断能力が下がっていることが医学的に判明している」ということがあります。
いくら、金銭管理等で困っていても医学的にちゃんと確認できていないとダメなんですね。下記は判断能力の低下についてのスクリーニング例を示してみました。下記のチェックに該当すれば、とりあえずは主治医の先生に認知症や精神疾患等の診断名がつくかどうか?ということを相談してみるといいかもしれません。
- 認知症・精神障害などの判断能力低下と思われる疾病がある。
- 同じことを繰り返したり、会話のつじつまが合わない
- 同じものを繰り返し購入したり、同じ料理を繰り返し作る
- 今までできていた手続きや書類の管理ができない
- 幻覚(幻聴・幻視など)、被害妄想がある
- 約束の日時、服薬の時間・種類などを忘れる
- 年齢や今日の年月日を言えない
- 住所や自宅の電話番号が言えない
- 医療介護費・光熱水費・買い物などの支払いが自分でできない
- 預貯金の出し入れができない
- 親しい人の区別がつかない
- 帰宅ができなくなることがある
- 欲しいものを伝えたり拒否をしたりする際、言葉による適切な意思表示ができない
※○がたくさんつく、もしくはナンバーが大きいものにつくほど判断能力は低いと判断できる
※○が一つもつかなければ法定後見の利用は難しい
後見制度の必要性
判断能力が低下していても、すべての人に成年後見制度が必要なわけではありません。下記は制度利用の必要性についてチェックポイントをまとめたものです。
- 手伝ってくれる親族が4親等以内にいない、もしくはいなくなる
- 福祉施設や介護サービスの利用にあたり、本人の判断能力が低下しているので契約が難航している
- 金融機関等での手続きにあたり、本人の判断応力が低下しているので手続きを断られた
- 印鑑登録手続きにあたり、本人の判断能力が低下しているので窓口で手続きを断られた
- 売買契約にあたり、本人の判断能力が低下しているので契約を断られた
※1はそれだけで必要性高し、2~5は○がつけば制度利用を要検討
高リスク、緊急性のある事例(例)
ここでは、こんな状況であれば高リスク、すぐに行政や相談窓口に相談必要と思われるようなものを挙げてみました。
- 親族や知人などに預貯金等、財産を無心されていたり、勝手に使われている可能性が高い
- 家族等に本人が望んでいない、本人にとって不利益な契約を勝手にされてしまっている(されそうだ)
- 悪質商法等に度々引っかかってしまう
- ヤミ金融・消費者ローン・株などを言われるままに契約してしまう
- 通帳や印鑑をすぐ失くしてしまう、自分で再発行ができない
- 支援関係者が金銭管理、現金の引き出し、支払いなどをしている
※上記のうち一個でも○がつくとやばいです。後見制度の利用も含め、早急に解決が必要です。
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