【動機付け理論】実は簡単?やる気を出させる関り【自己決定】

専門職向け

皆さん、こんにちは!皆さんは「やる気」について考えたことはありますか?

クライエントへの働きかけ、職場での人間関係など福祉専門職に限らず、日常の様々な場面で、考えることになる概念かなっと思っています。

ぼくは飽き性なので、自分自身の「やる気」をどう継続させるかということや、人間関係の中でこの「やる気」について悩むことが多かったです。

根性論で『「やる気」があれば何でもできる!「やる気」ないやつが悪い!』など、耳にすることも言われることも多く経験しました。そのたびに『じゃあ、やる気ってなんなんだ?』と思ったりしてました。

そこで、今日は「やる気の問題だろう(# ゚Д゚)」「やる気をだせ(#^ω^)」と言われ続けてきた僕が悩みに悩んで調べたことを紹介します。

自分自身のセルフコントールのみならず、クライエントのエンパワメントであったり、職場で凹んでいる同僚への接し方などの参考にしていただけると嬉しいです!

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「やる気」とは「根性」ではなく行動科学理論です!

「やる気」とは、つまり動機です。この動機は実はすごく昔から研究されてきた理論があります。つまり、「やる気=動機」は精神論や根性論ではなく、理屈で説明がつく科学なんですね!

動機づけ理論の歴史

この動機を理論として今まで研究されてきた歴史を見てみましょう!

動機づけ理論とは「人が何によって動機づけられ、やる気が高まるのか」について研究した理論です。

もともとは臨床心理学者のフレデリック・ハーズバーグによって提唱された、行動科学理論の一つです。

動機づけ理論は主に1950年代に広く研究が行われ、マズローの欲求段階説、マクレガーのX理論Y理論、ハーズバーグの動機付け・衛生理論 (二要因理論)など現在でも有名な理論がベースとなっています。

これらの3つの理論は動機づけ理論の中では基礎とみなされることが多く、現代の理論は基本的にはこれら3つの理論をもとに発展してきている。各論ともに普遍的な要素が多く見られ、現在でも実践に生かされています。

現代においては、初期の動機づけ理論をさらに発展させ、特に目標管理による報酬制度の元となる理論である、マクレランドの欲求理論、目標設定理論、強化理論、公平理論、期待理論などが展開されています。

初期の動機づけ理論が、「人の動機とは」あるいは「やる気の源」といった「動機そのもの」「あるいは動機づけの有用性」に関する理論であったのに対して、現代の動機づけ理論はむしろ「人はどうやって動機づけられるのか」という「動機づけの過程」「動機づけする方法」を重視した理論となってきている感じです。

動機とは

動機とは、人間の行動を喚起し、方向づけ、統合する内的要因のことで、「動機づけ」ともいいます。何かを欲求して動かす(される)ことで目標を認識し、それを獲得し実現するために、方向付け行動することを言いいます。

人間の欲求には、不満につながる欲求である「衛生要因」と、満足につながる欲求である「動機づけ要因」の2種類があります。

「衛生要因」は不満を減らすのに役立つに過ぎず、動機づけを高めるためには「動機づけ要因」が必要であると提唱されています。

この「動機づけ要因」の中で一番重要なのが自己決定性です!

「動機づけ」の中で一番重要な要因は「自己決定」です!!

動機の自己決定性は、活動や行動の質に影響するといわれています。

意欲が全くない場合には動機づけがない状態、つまり無気力状態であると言えます。

この場合、報酬を得るために必要な行動は基本的に起こりません。したがって、何かしらの成果を期待することは難しいです。

つぎに「○○しなければならない」からしている場合は、嫌々ながらも行動が生起しているため、全くの無気力状態ではありません。しかし、このように外部からの強制力によって行動が生起している場合、自己決定性は非常に低いと考えられます。

また「○○が嫌だからからしている」という場合は、多少自己を起点にしていることから、活動することの価値を多少なりとも感じらている状態です。しかし、まだ「○○しなければ」という義務感が伴っている状態であり、外的価値を自分に取り入れようとしている段階であると考えられます。

関わり方は自己決定の段階によって変わってきます!

このように自己決定には段階があり、その段階によってどのように動機を生起していくかということから支援や関りを構築する必要があります。

無気力状態~外的価値によって多少自分なりの動機が生起されている状態では、自己決定性が低い状態であると言え、まだ周囲の丁寧なサポートが必要な段階であり、外的価値を自分に取り入れるだけではなく、自己実現につながるよう動機づけができるよう支援する必要があるということです。

一番自己決定ができている「自立した生活を送ることは自分にとって大事だから」という理由で活動をしているという段階に至った場合は、「○○は自分にとって大事なことだ」と自分にとって就職が価値のあるものだという認識が伴うため、より積極的に行動でき、また成果も期待できます。

さらに、「自分の能力を高めたいから」や「活動することで自分も幸せを感じるから」という理由で活動ができる場合には、そうすることが自分自身の価値観としてより深く根づいているとみなすことができます。

このような段階では実現に向かう当事者の頑張りを承認し、エンパワーメントに基づいた支援を行うことで動機の維持が必要であると考えられます。

結論!「やる気」だすためには自分で決めることが重要

動機の自己決定性は当事者の自己実現へ向かうエネルギーや活動の質を左右するだけではなく、活動中の気分や健康度にまで影響を与えます。

強制されて活動している場合、小さな失敗でも傷つきやすく、心身の不調につながりやすいです。

ときに、長期にわたり動機づけを維持する必要があるため、心身の健康度を適度に保つためには、動機を持てるように当事者自身がなりたい自分や夢に向かえるように自己実現に向かうための意思を支援することが重要ですね。

 

参考資料

  • フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』内「フレデリック・ハーズバーグ」
  • フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』内「アブラハム・マズロー」
  • フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』内「自己決定論」

最後に

いかがだったでしょうか?当初は「やる気」は科学的理論と気づき、何かとても難しい仕組みになっているんだなと思っていましたが、結論としては「やる気」出す、あるいは出させるためには「自分で決める」「自分で決めさせる」ことが重要であるとことになりました。当たり前な感じですが、これが実際に支援の中で、人間関係の中で行うのはめっちゃ難しいです。

皆さんもよかったら実践されてどうだったか教えてもらえるとうれしいです。

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