【受容】面談に役立つ二つの原則!【統制された情緒関与】

専門職向け

皆さんこんにちは!突然ですが、相談援助の研修などで「バイスティックの7原則」について、ほとんどの専門職の方が学ばれたことがあるのではないかと思います。今日はこの「バイスティックの原則」の中でも「受容の原則」「統制された情緒関与の原則」この二つの原則が相互に関連し合っていて、クライエントとの信頼関係や援助関係の構築にとって重要であるため取り上げたいと思います!

他にもコミュニケーションや面談で役立つ記事を書いていますので合わせてご覧ください。

「受容の原則」で、今現在のあるがままを受け入れよう!

「受容の原則」とは、読んで字のごとく<受けて容れる>ことです。

良い悪いなどではなく、過去から現在に至ったクライエントのすべてを受け止めるという概念ですね。

【相手のあるがままを受け入れる】【自分の価値観を挟まない】【相手の話しを遮らない、否定しない】などの行動を通じて、援助者からはクライエントに対してなにも足さず、なにも引かない姿勢を一貫してとり、乾いたスポンジがすぐに水を吸い込んでしまうように、そのままを受け容れる行為が「受容」でです。

つまり、クライエント自身の考えや思いは、その人が持つ固有の世界観であり個性でもある、それは他者に否定されるものではなく例え事実と違っていたとしても、それを頭越しに否定せずにその考え方に至った経緯を理解するという援助姿勢です。

例えば、何らかの理由があり「自分は死ななければならない」等、希死念慮があるケースでは、安易な諭しは効果が無いばかりか援助関係の構築を阻むと言われています。「生きていれば、いいことあるよ」「死ぬことはいつでもできます。今できることをしよう」「今、本当に死にたいと思うのなら、やりたかった事をして、行きたかった所に行って、見たかった物を見てそれからもう一度考えてみてはどうでしょう。」などの声掛けは、援助者の価値観や判断から出てくる言葉に過ぎず、真にクライエントの立場にたった言葉ではないですよね!

このケースにおける「受容」とは「死ななければならない」という思いを批判することなく、援助者の価値観を挟まず、あくまでクライエントが実際に考え感じている事象として向き合うことです。「死ななければならないと強く追い込まれているクライエント」が感じてる辛さや悲しみを感じ取り、「そういう感情を感じたよ」と援助者からクライエントに示すことから始めましょう!

ただし、希死念慮があるという非常にセンシティブな場面において援助者も、自己覚知による己の価値観の把握、クライエントとの面談場面を第三者的俯瞰的に客観視できる能力が求められ「統制された情緒関与の原則」との関連も深いと思います。

「統制された情緒関与の原則」で自分の感情を適切な形にコントロールしよう!

「統制された情緒関与の原則」とは物事によって沸き起こる自分の感情をコントロールしてクライエントに関わることを指します。

「統制」とは、まとまりのあること。

「情緒的」とは物事によって沸き起こる感情、しみじみと深く感じるもの。

とあり、援助者自身の湧き上がる感情をまとめる、コントロールすることによって感情を伴った関りそのものを支援の一環とする概念ですね。

【援助者自身の感情を意図的に使う】【クライエントの感情に飲み込まれないようにする】【自分の価値観を知る】ことができなければクライエントの話しの内容や、表出するクライエントの感情に引っ張られて、援助者が同じように感情的になりその結果、クライエントの話しをありのまま受容できなくなってしまいます

例えば、クレームなどに代表される怒りにあふれ、それを援助者が受け止めざる得ないケースでは、援助者がその怒りに引っ張られて、援助者も同じように怒りを持って聞いてしまうと、クライエントの話しから問題点や課題を正しく受け取れなくなっちゃいますね。

それはもう援助ではなく、ただの言い争いであり双方にとって何の利益も生まない行為です。やめましょう!

前述した「受容」でも述べた、自己覚知による己の価値観の把握(自分がドンことで感情が動かされるのか、何をどう感じ取る人間なのか?、どんなことを大切する、あるいは興味がないのか?など)をベースに、相手の怒りに自分の感情が飲まれないようにコントロールし、必要な課題へクライエントが気づきクライエント自らが進みだせるように意図的に関わることが重要です

「統制された情緒関与の原則」を実践として行うためにはクライエント、援助者自身の双方を客観的に捉えていくことが必要ですね!

また、援助者にとって身近な人にはつい主観が出てしまうことも想定しておく必要があるでしょう。人間だれしも身内の人間にはちょっと甘えたり、ゆるくなってしまいがちです。外ではスーパーマンなソーシャルワーカーが事業所内ではその能力を生かしきれない場合があるのは、こういった甘えや緩さから援助者としてのペルソナをちょっと脱いでしまうからかもしれませんね!

最後に

いかがだったでしょうか?今日は、「受容の原則」「統制された情緒関与の原則」についてまとめた見ました。相談援助における面談等では特に重要な概念ではありますが、その実践には「自己覚知」「セルフコントロール」が、かなりの精度で求められるのではないか思っています。こんなことを書いている私自身も「できているのか?」言われると「うーん?」となってしまいます。この記事を読まれた皆さんはどんなこと気をつけて、面談を行っていますか?良かったコメントに書いてもらえるとうれしいです!

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