【困った時の】ストレングスはこう使う!【救世主】

専門職向け

皆さんこんにちわ!

相談援助では「ストレングス」が大事だと、よく耳にされると思いますが、皆さんはどのように実践されていますか?

僕は、つい最近まであまり意識しないでいました。というか、ストレングスをどう取り扱っていいのか、よくわからなかったので気にしにない様にしていたような感じです。

しかし、この「ストレングス」は実は相談援助のベースにして、最終兵器であることに最近気づきました。

「ストレングス」をしっかりと見ていくことで劇的に支援が進んだり、理解が容易になることがあります。

そこで、今日はこの「ストレングス」について概要から活かし方をご紹介したいと思います!

「ストレングス」とは

ストレングスとは、クライエントが日常生活の中で培ってきた身体的・精神的・社会的能力や強さ、豊かさなどのことを指し、クライエントの生活支援を重視する概念だと言われています。

近年のソーシャルワークではストレングスが支援者とクライエントの対等な関係を構築し、真にクライエントの望む生活を実現する支援展開方式=ストレングス・モデルとして注目されています。

ストレングス・モデルとは、クライエントの能力やクライエントを取り巻く環境の強みを引き出し、活用していくケース・マネジメントである。

「ストレングス」を中心とした支援では、黒子の様に暗躍します

ストレングス・モデルでは、クライエントに対して「〇〇ができないから〇〇の支援が必要」と一方的に結論づける姿勢ではなく、「〇〇ができない状況のなかでも対応して生活してきたクライエントのストレングスをどのように生かして支援するか」をクライエントとともに考えていく姿勢が問われていきます。

簡単に言うと、持っている力や強さを支援に生かすんですね!

そして、一番重要なことは、クライエント自身が自らのストレングスを認識して活用し、新たに力を獲得したりするなどして自ら問題を打破していく「本人主体」の考えです。

支援者には、クライエントの自己有用感や肯定感を向上させるために、制度やサービスなどの社会資源をクライエントが主体的に活用できるように、提供したり、一緒に探したり、励まして自主的な決断を促したりします。

舞台の主役であるクライエントが気持ちよく演じれるように、支援者は黒子の様にあの手この手を駆使してサポートすることが求められるってことですね!

 

「ストレングス」を理解するためには、ICFが有効です!

具体的な支援においてストレングスを発見し共有、活用していくために知っておくべき、理論として国際生活機能分類が挙げられます。

国際生活機能分類とはInternational Classification of Functioning Disability and Health(以下ICF)であり、2001年5月にWHO総会で採択された生活機能と障害の分類法である。特徴として、1980年から使われていたWHO国際障害分類(ICIDH)がマイナス面を分類する考え方が中心であったのに対して、ICFはプラス面や環境因子に着目し、健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子は相互に関係し補完するということが言われている。

ちょっと事例

以前、どこかの研修で使用した、わかりやすくするための架空事例です。(実際の事例ではありません)

発達障害の診断を受けている親、同じく発達障害のあるの子どもの世帯、中学校に配置されているスクールSWの立場でストレングス・モデル、ICFの概念を活用しながら支援を展開してみました。

詳細は割愛しますが、この世帯の問題は生活リズムの乱れでした。

当初、学校は親に対し家庭内での生活リズムを整えるように厳しく指導しましたが、当然、親は反発し、支援が上手くいかないという具合です。

ただし、そういった問題はあるものの、親子共にコミュニケーション能力には優れ生活リズムは滅茶苦茶であるものの、親も仕事を首にはならず常に職場からのサポートがありました。

また、子どもも地域のイベントや自治会の行事には必ず出席し運営を助けるので地域の主要的な人物からは概ね好意的な感情を寄せられていました。

このストレングスを活用し、生活リズムの是正は諦め、地域のイベントでの活動を自治会やボランティアさんに理解を得ながら子どもに勧め、参加してもらうことで結果的に生活リズムが整うことを狙っていったんです。

結果的に、完全には生活リズムが整わず、学校の出席日数は微増でしたが、子どもには、ある夢が芽生えモチベーションにつながり、生き生きと生活する子を見ることで親もある程度安定し職場への遅刻も減ったという感じです。

「ストレングス」のもたらす効果

このような事例に見られるように、「ストレングス」はクライエントの生活に重要な概念です。さらに、支援者にとっても、ちょっと油断すると一般常識的画一的な考えで支援を行ってしまいがちなところを「ストレングス」に注目することでクライエント中心の支援に引き戻すことができます。

「どのような生活をしてきて、何ができているのかできていないか)」をICFの概念に従って評価し、「できていることを伸ばす、あるいは問題解決に活用する」というストレングス・モデルから支援方針を検討することで、枠に囚われない自由で豊かな発想で支援ができるかもしれません!

最後に

いかがだったでしょうか?最近よくケースが行き詰まることが多く、一つ一つのケースを振り返りをしていると、ストレングスの存在を無視した支援をしていることで行き詰っていることに気づきました!

皆さんもちょっとどうしていいか分からないケースがあれば、ストレングスを中心に振り返ってみると良いかもしれません。

また、皆さんのがどんな風に相談援助について考えているか、大切にしていることなどコメント、メールなどなんでもかまいませんので教えてもらえるとうれしいです。

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