【ややこしいけど】任意後見の使い方!【知っていると役立つ】

介護

皆さんこんにちは!

今日は、任意後見制度です。ちょっと前に、成年後見制度の記事を書いて、その中で任意後見にも触れていますが、ご要望がちょっとだけあったので、詳しく書いていきます。

現在、少子高齢化が世界で類を見ない速度で進行している日本では、身寄りがない、あるいは家族親族が遠方で支援できないとか、コロナ過で家族が支援したくてもできない、ということで様々な問題が出てきます。入院とか、金銭管理とか、施設入所とか、親族さんがいないと「どうしようもない」ということが多々あります。

そんな社会なので、重要な制度ではあるなーと思っています。

それでは行きましょー

 

任意後見は転ばぬ先の杖!

任意後見制度は、将来、自身の判断能力が不十分となったときに備えるための制度です。

自分の判断能力があるうちに、将来、自らの判断能力が低下した場合における財産管理や介護サービス締結等の療養看護に関する事務について、任意後見契約を公正証書により締結しておく制度です。

任意後見の内容、候補者は自分で決めれます

任意後見制度では、制度の利用、任意後見人の選任、仕事の内容は全て本人が決めることができます。

そのため、判断能力低下後も、これまでの生活スタイルを維持できるという
メリットがあります。

ただし、自由度が高いぶん任意後見契約の内容の不備があれば効果を十分
に発揮できないというデメリットが存在するので要注意です。

しかし、昨今では施設入所契約を締結する際、身元保証人が必要な場合が多く、身寄りがなく、身元保証人が立てられない場合は、身元保証会社との契約、または任意後見人を定めることを前提とする施設が多くなっている現状があるので、任意後見についてよく知っておくのはいいことだと思います。

手続の流れとしては、まず任意後見受任者を決める必要があります。

任意後見人になるためには資格は必要なく、家族や親戚、友人、弁護士や司法書士等のほか、法人と契約を結ぶことも可能です。また、これらの中で複数と契約することも可能です。

ただし、任意後見法第 4 条に規定される不適格自由に該当する場合は、任意後見人を受任することが不可能です。

次に、契約内容を決める。任意後見人にどのような事務を依頼するかは、契約当事者同士の自由な契約となります。

任意後見契約で代理権を与えることができるのは、財産管理に関する法律行為と介護サービス締結等の療養看護に関する事務や法律行為です。

加えて、上記法律行為に関する登記等の申請等も含まれます。

このような契約内容について、「公正証書」で締結することによって、任意後見契約は達成される。ここまで任意後見の事前準備が完了したと言えます。

任意後見が効力を発揮するのは、判断能力が低下し家庭裁判所から監督人が選任されてからです。

この後、実際に認知症の症状がみられるなど、本人の判断能力が低下したら
「任意後見監督人選任の申立て」を家庭裁判所に対して行うことで、任意後見事務が開始されることになります。

また、任意後見監督人を通じて、間接的に家庭裁判所が任意後見人を監督
することにより、本人の保護が図られるということです。

判断能力が下がるまででは、色々組み合わせて実効性を持たす必要があります。

任意後見は、判断能力が下がるまでの間は効力を発揮しないので、利用の目的によって代理委任契約などを組み合わせて実効性を持たせる必要があります。主に即効型・将来型・移行型の 3 種類が想定されています。

即効型

即効型とは、任意後見契約締結と同時に、家庭裁判所に任意後見監督人の選任の申立てを行い、任意後見をすぐに開始するものです。

将来型

将来型とは、本人に判断能力がある時に任意後見契約を締結し、その後、本人の判断能力が不十分となった時に任意後見監督人の選任の申立てを行い、任意後見を開始します。

「将来型」の場合、任意後見契約締結から任意後見の開始まで相当な期間が経過することから、任意後見を開始せずに本人が死亡することもあり得ます。

また、任意後見受任者が、本人の判断能力の低下に気がつかない、本人が任意後見契約を締結したこと自体を忘れることもあるかもしれません。

そのため別途、「見守り契約」を結び、任意後見の発効まで継続的に支援する仕組みを作ることが必要となってきたります。

移行型

移行型とは、任意後見契約で最も多く使われている類型であり、任意後見契約締結と同時に見守り契約や任意代理契約や死後事務委任契約等を締結することで、本人の判断能力がある当初は見守り契約や委任契約による支援を行い、本人の判断能力が低下後は任意後見契約による支援を行うため、支援の空白期間がないというメリットがあります。

ただし、本人の判断能力が低下した後であっても、任意後見受任者が任意後見監督人の選任の申立てを行わず、権限を濫用する恐れもあり、委任契約書に「任意監督人の選任請求義務」を記載したうえで、受任者を監督する者を
置くため、受任者を複数設定するなど対策が必要です。

気になる金額は・・・・

1. 任意後見契約書の作成に必要な費用

任意後見契約を結ぶためには、公証人に任意後見契約公正証書の作成を依頼する必要があります。

公証人に任意後見契約書を作成してもらうために必要な費用は、以下の通りです。通常、任意後見契約の公正証書1件当たりの費用は2~3万円程度になります。

  • 公正証書の作成手数料: (任意後見契約1件につき)11,000円
    ただし公証人が、本人の自宅や病院等へ出張して公正証書を作成する場合、手数料が5割増しになり、さらに日当(1日2万円。4時間以内なら1万円)および交通費(実費)が必要になります。
  • 公正証書代(正本2通・謄本1通): およそ10,000円程度(←証書1枚あたりは250円)
  • 任意後見契約の登記の嘱託手数料: 1,400円
  • 登記手数料: (1件につき)2,600円

これらに加えて、内容について専門家(司法書士や弁護士)に依頼する場合は別途費用がかかります。専門家に頼むとお金はかかりますが、必要な書類を集めたり、内容について不備がないものができるメリットがあります。

依頼料は大体ですが7万~15万円程度と仕事量等や依頼先によって幅があります。

 任意後見人の報酬

任意後見人は後見の事務費用以外に、後見事務に対する報酬を受け取ることもできます。なしとすることもできます。
任意後見人が後見の報酬を受ける場合、任意後見契約の中に報酬に関する規定を設ける必要があります。

親族が任意後見人になる場合は、報酬は受け取らないとする場合が多いようです。他方、親族以外の第三者(弁護士、司法書士など)が任意後見人になる場合、報酬の約定がされるのが普通です。
その場合、任意後見契約の中に、報酬の金額や支払時期などの規定を定めることになります。一般的な内容で金銭管理等実務がある場合は、仕事の量や性質に応じて、1ヵ月当たり1~3万円程度とするケースが多いようです。これは、職業後見人の場合でも人によってまちまちですので、よくよく話し合って決める必要があります。報酬は、本人の財産から支弁されることになります。

いずれにせよ、任意後見人の報酬については、任意後見契約を結ぶときに、本人と任意後見受任者が話し合って金額等の条件を決めることになります。

任意後監督見人の事務の費用

任意後見監督人の事務を行うために必要な費用は、本人の財産の中から支払われます
これは法律(任意後見契約法)で決まっているため、任意後見契約書に規定する必要はありません。

(1) 任意後見監督人の報酬

任意後見監督人の事務の報酬は、法定後見における監督人と同じように、法律に基づき家庭裁判所が審判により決定します
任意後見人の報酬は任意後見契約の規定に従いますが、任意後見監督人については任意後見契約書で約定する必要はありません。

実務では、通常1年ごとに、任意後見監督人が家庭裁判所に対して報酬付与の審判の申立てを行います。家庭裁判所が決めるので、本人の生活が脅かされない範囲で決定されます。報酬額は、それなりの財産がある方で1ヵ月当たり1~2万円程度であることが多いようです。財産が少ない、収入が少ない場合は報酬が下がります。またその報酬の費用は、本人の財産の中から支払われます。

最後に

いかがだったでしょうか?

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