皆さんこんにちは!
今日は、近年はやりのコミュニティソーシャルワークについてご紹介したいと思います。前にも少し触れたことはあるのですが、今回はより深く踏み込んでお話します。
その理由は、これまでのブログに掲載してきた地域包括ケアシステム、それを深化した包括的支援体制や重層的支援体制の基盤的理論になっているからです。
しかし、このコミュニティソーシャルワークは分かるようでわからない部分があって、研究者の間でもちょっと認識が様々な点があります。
このブログで偉い先生に意見するわけではありませんが、私なりの整理を書いてみたいと思います!
こんな記事も書いてます!
よくわかる地域アセスメント【流れで解説】 – よくわかる介護ブログ (swhiro.blog)
ソーシャルワークの展開過程と面接技術について【たった一つの重要なポイント】】 – よくわかる介護ブログ (swhiro.blog)
コミュニティソーシャルワークは個別支援づくりから福祉コミュニティに至るまでの機能を示したものです
- (大橋謙作2005)「コミュニティソーシャルワークの機能と必要性」よると
-
コミュニティソーシャルワークは地域に顕在的、あるいは潜在的に存在する生活ニーズを把握し、個人、環境のアセスメントからフォーマルインフォーマルに囚われない個別援助の展開を行う過程において、その支援方策遂行に必要なインフォーマルケア、ソーシャルサポートネットワークの開発とコーディネートであると述べている。また、個別援助の蓄積による地域課題把握から福祉コミュニティ作り、生活環境の改善等を個別援助と同時並行的に推進していく活動及び機能である
(大橋謙作2005)「コミュニティソーシャルワークの機能と必要性」より
つまり・・・・・
- 地域での生活において、何らか支援を必要としている人に対して、相談援助による具体的援助を提供する
- その中で、その人が地域の中で培ってきた繋がりを把握、必要なソーシャルサポート・ネットワーク(地域でのつながり)づくりを行う
- その人が抱える生活課題は、もしかしてその人だけではなく複数の人が持つものかもしれない。
- 同じような問題がに起きないよう、地域住民等と協働することで予防するあるいは、必要な資源を創造する
- このような変容を繰り返すことで、福祉コミュニティが形作られる
ということになります!
コミュニティソーシャルワーク二つのポイント
「住民主体」
- 住民が自ら進んで取り組むためには、地域社会の社会資源を整備し、住民の地域福祉への関心を高める活動が必要
「専門職」が中心になって地域社会の問題を見つけ、関係機関と連携するアプローチ
- 住民が地域社会の問題に気づいていない、気づいてもそのままになってします。
- 専門職でしか気づけない地域課題がある(支援を必要とする人の生活課題)
ケースワークやケアマネジメントといった個別支援では
- 専門職でしか気づけない地域課題がある(支援を必要とする人の生活課題)を発見する
- フォーマルサービスの調整や地域住民と協働したソーシャルサポートネットワークの構築を通じて支援する
コミュニティワークといった地域福祉の基盤づくり地域づくりといった地域支援では
- 個別支援を通じて発見した生活課題について、その解決を住民と協働して対処することで住民と共有する
- もしかしたら、同じような問題が複数の人にもあるのではないか?
- 予防や地域で必要な対応を住民主体を陰から支える
コミュニティワーク7つの考え
地域基盤のソーシャルワーク実践
- 我が国の福祉は分野別、属性別に発展してきたため、すべての領域に対応できるソーシャルワーカーがいない
- クライエントが抱えるニーズは複合的で既存の制度のみで対応できることの方が少ない
- クライエントに合わせた支援を一定のエリア(地域)と結びついて、既存の制度とインフォーマルサポートを駆使して対応する。あるいは足りない資源を創造、開発し居ていく
個別化と脱個別化の統合
- 個別化ではクライエント個々の直接援助活動を展開していく
- クライエントの自己実現、願い希望を主体的にクライエント自身が目指すための支援。
- ストレングスの視点
- 脱個別化では、同様の個別ニーズの再発生の予防を地域の中で取り組む
- コミュニティソーシャルワークでは個別化、脱個別化が統合される
個別アセスメントと地域アセスメントの連結
- 個別アセスメントはケースワーク、ケアマネジメントの基本
- 地域アセスメントでは、地域の社会資源、潜在的な解決能力、地域住民の社会的受容、人的な組織的力量などなどを見る
- 個別、地域双方のアセスメントにおいて、コミュニティソーシャルワークではストレングス視点を持つ(病理モデルではない)
- 個別、地域双方のアセスメント連結させて理解する
専門職と非専門職の統合によるチームアプローチ
- クライエントの自己決定の行使を支える問題解決の場として地域を捉える
- そのため、クライエント、専門職、地域住民が一緒に問題解決に取り組むパートナーシップ、コラボレーションを基盤とした援助が求められる
公民協働による支援のコーディネート
- クライエントの抱える複雑で複合した生活課題に必ずしも法律や制度が適合はしない。法や制度は後追いとなる
- しかし、深刻化した問題に対処する必要がある。
- 行政の下支えを求めながらも住民と共に解決を目指すコーディネートが求められる
予防的なアプローチの重視
- 個別支援を解決して一件落着ではない
- ニーズの予防的対応や早いうちの対処ができるように地域を強化する必要がある
- 不偏的な個別ニーズ=地域課題を抽出し、必要な事業を開発するなど必要
地域ネットワークの形成と地域における包括的ケアシステムの構築
- 人と人、活動と活動、人と活動をつなぐことできめ細かい網の目状のネットワークの構築を目指す。
最後に
いかがだったでしょうか?
今回はコミュニティソーシャルワークの理論についてついて説明してみました。技術として考えると混乱しますが、ソーシャルワークの一つの類型として捉え、より地域という基盤にアプローチする機能をもったソーシャルワークであると整理して考えると良いと思います。
この理論は、あくまで機能そして流れなので一人のソーシャルワーカーが担うものではなく、複数のソーシャルワーカーあるいは複数機関で達成するものと述べられています。
また、対象者や分野に縛られるものでもありませんので対象者は全ての人であると考える必要があります。
次回は、もう少し実践に踏み込んだ実践理論である「地域を基盤としたソーシャルワーク」をご紹介したいと思います!
ご意見ご感想など、どしどし応募しておりますのでお気兼ねなくご連絡くださいませ!
コメント