【よく考えると】地域包括ケアシステムの実体①【わからない】

介護

皆さんこんにちは!

最近は色々とこれまでを振り返る機会があり、自分の考えについてじっくり見直してみました。良い機会なので、備忘録的にブログに書いておこうと思いつきました。

今更ですが、地域包括ケアシステムについて記事になります。新しい事業も始まるため今更感が強いですが、少し自分の頭の整理のために振り返ってみました!

そのため、今日の内容は(これまでもそうですが)なんの役にも立ちません。

ご了承いただき、「それでもいいよ」という方だけお読みください!

もともとの疑問は「地域包括ケアシステム」って、何なのか?でした。

地域包括ケアの始まり広島県の御調町から

地域包括ケアの始まりは1970年代半ば、広島県の御調町(みつぎちょう:現 尾道市の一部)の国保病院(現 公立みつぎ総合病院)山口 昇(やまぐち のぼる)院長による、退院後の再増悪・再入院を減らす取り組みです。

これは超有名ですね!

御調町は介護保険制度が始まる前から全国に先駆けて保健・医療・福祉の連携体制の構築に取り掛かり、国保病院はその中で、入院医療と“出前”医療、施設ケアと在宅ケアをつなぐ体制の構築にあたり、中心的な役割を担っていたのですね。

尾道市医師会、新潟の長岡福祉協会、埼玉県和光市、東京都武蔵野市や稲城市などの先進的取り組みが始まっていきます。

これらはほぼすべて、慢性期疾患患者の早期退院、つまり医療のフィールドの地域への拡大、医療と介護の連携体制による再入院リスクを減らすという取り組みが主軸となっています。

医療と介護の統合(integrated care)は、患者の入退院の経過を踏まえたケアマネジメントプロセスです

兵庫県立大学の筒井孝子先生によると、

地域包括ケアシステムは,在宅等の住み慣れた地域で患者や高齢者の生を支えるために,自助,互助だけでなく,共助としての医療や介護サービスを含んだシステムとして構築するというものであることから,integrated careに加えて,地域を基盤とするというcommunityーbased careをも含むものとして位置づけられるもの

(中略)

日本では入院医療体制における機能分化が,今後一層進むことを鑑みると,要介護者に対する切れ目のないケアのマネジメントを実現するためには,患者の入退院の経過を踏まえたケアマネジメントプロセスを明らかにし,このマネジメント機能を強化するために,医療のみならず,地域における介護の両面を踏まえた情報共有を支援するための具体的なツールの開発や,市町村が中心となって総合的にこれらを支援する取り組みが重要となってくる

「日本における医療介護連携の課題と展望─integrated careの理論をもとに」                        大夛賀政昭,筒井孝子(保健医療科学 2016 Vol.65 No.2 p.127-135)

と主張されています。

つまり、地域包括ケアシステムは最初の始まりは、「いかに慢性期疾患の方が早期に退院し、在宅で治療を継続し再入院しなくてよいシステムを医療機関や在宅介護サービスの関係者で構築するか?」というものだったんですね。

そして、この病院ではなく「在宅」というフィールド、(筒井先生は、communityーbased careと表現しています)地域という、「ところによって様相が全然違う場所」で、構築することが大事だということなんですね!

最近の地域包括ケアは、慢性疾患がある方(要援護者)だけでなく、すべての人の「介護予防」「フレイル予防」「自立した生活の支援」などがターゲットです。

最近では、2025問題が有名になり、85歳以上の超高齢人口の急速な増加が見込まれ、その中には多くの“要介護ではない人たち”の存在を背景として、地域で要介護となる時期をできる限り後ろ倒しするためのフレイル予防・介護予防の視点とともに、日常の暮らし支援、たとえば買い物や通院の困難を減らす工夫、社会的な孤立を防ぐための通いの場所整備などが求めらています。

そうです。これが生活支援体制整備事業ですね!

つまり、地域包括ケアのポイントって・・・

  • 慢性期疾患の方が病院だけではなく地域でも治療を続けて再入院しないような、切れ目のない医療と介護の連携
  • 援助が必要ではない方も含めたフレイル予防、社会的孤立を防ぐための通いの場の整備

ってことですね。

地域包括ケアシステムと言えば、地域支援事業ですが・・・

上記のようなポイントを達成するために、地域支援事業には沢山のメニューがあるわけですね。

地域支援事業は、平成18年4月に創設されています。その目的・趣旨は、地域包括ケアシステムの実現に向けて、その充実・強化の取組について地域支援事業の枠組みを最大限活用するという事なんですね。

つまり、地域支援事業も目的ではなくツールの一部だということです。

厚生労働省ホームページより引用

このような具体的な事業が地域包括ケアシステムの枠組みということになるんですね。しかし、実は国は地域包括ケアシステムの当初と最近では方針を変えています。

ひどくざっくりと申し上げると、最初は介護保険制度に象徴されるようにけっこう全国的に共通するトップダウン的な制度設計だったのです。そのため、前半では総合相談、権利擁護、包括的継続的ケアマネジメント、介護予防ケアマネジメントなどは、ある意味あまりどこの市町村(地域包括支援センター)でもやっていることはあまり変わりません。つまり、地域という概念がけっこう薄かったんですね。ただ、前半事業は結構普遍的でシステム自体も統一されたある種の社会保障的な側面が大きいと思われます。

ただし、その後総合事業とか、在宅医療介護連携は市町村圏域での展開が想定されていたり、認知症総合事業とか生活支援体制整備は本当に小地域での展開が想定されるものになっています。よく言われる、地域の実情に合わせてということですね。

これまでのおさらい

  • 地域包括ケアには2つの側面があります。
  • 一つは「医療と介護」の地域というフィールドでの提供体制(システム)
  • 二つ目は在宅ではなく、地域社会の中でどうフレイル予防をしていくかという、ところによってあり方が全然違う地域の中でのオーダーメイドの介護予防、フレイル予防の仕組み(システム)
  • このようなシステムが社会保障(権利擁護や困窮支援等)と連動していく

こんな感じで、地域包括ケアと言いながら行う対応によって圏域がちょっと違うという感じだと思います。

つまりですね、各事業の中でも全国あるいは市域統一で行うようなこともあれば、内容によってっは中学校区以下の小地域等で地域の実情に合わせて行うようなこともあったり、同じ事業の中でも市域で行うこと、地域で行うことなどが混在していることになるのですね。

これは実は運営していく市町村や地域包括支援センターにはたまったものではなく、混在していることが非常に運営を難しくしているのだと思っています。

最後に

いかがだったでしょうか?

地域包括ケアシステムは、新しく始まっている重層的支援体制整備事業の基盤ともいえます。そのため、地域包括ケアシステムの構築について先進的な取り組みをしている市は、更にその機能を充実させていっていますが、そもそも地域包括ケアシステムについて市町村に迷いがあり、デザインが描けていない市町村では重層的体制整備についても同様に迷子状態となっているのではないでしょうか。

そんなことを想いながら、基本的なことを学び直しているという状態です。

次回は地域ケア会議について記事を書こうと思っています。

皆さんの市町村ではどんなぐあいですか?もしよかったらコメントもらえるとうれしいです。

 

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