【けっこう重要】フレイル予防【三つのポイント】

専門職向け

皆さん、こんにちは!介護福祉に携わっている方であれば、耳にしたことがあると思います。最近は良くTV報道などでも取り上げれているいますね。でも実はこのフレイルって、介護や福祉における支援を展開されている方にはかなり重要な概念なんです。そこで、今日はフレイル予防についてお伝えしていきたいとおもいます。

フレイルとは??
フレイルはそのまま直訳すると「虚弱」です。ここでいうフレイルとは「健康な状態と要介護状態の間の状態」と捉えており、このフレイル状態は生活を見直すと改善することができます。

75歳以上になると35%の人がフレイルと診断されています。 フレイル状態にになると、2年間のうちに要介護状態になるリスクは健康な人にくらべ4.8倍になります。

ちょっとずつ増えている介護保険の認定率

資料の通り、介護認定がある方(要支援の方、要介護の方)が年々増えてます!これは、フレイルに陥ってしまう人が多いことが原因の一つであると言われています。

どうして介護保険サービスが必要になるのか?
では、どのような要因によってフレイルから介護が必要な状態に移行するか原因についてみていきましょう。

図のように、転倒や骨折による受傷のほかに「高齢による衰弱」が85歳以上の方では、介護が必要になっる要因の一つとして大きな割合を占めていきます。

 

病院での治療のみでは不十分。「生活」の見直しが必要
下の図は要介護の要因と死亡要因を比較したものです。
この図から、死亡要因と要介護の要因が全く違うことが読み取れます。
特に要介護の要因として13.3%「高齢による衰弱」が占めており、約1割の方が特に大きな病気や事故に遭うなどではなく、衰弱することで介護を受ける必要が出たということわかります。
つまり、何らかの病気の治療以外にも「高齢による衰弱」つまりフレイルを予防することが必要と言えます。
フレイル予防はどうすればいいの?
フレイル予防には三つの柱があると言われています。
フレイル予防 ①まずは栄養!
□たんぱく質
★高齢者が特にとるべき重要な栄養素がたんぱく質です。
たんぱく質は、人間が生きていくうえで重要な栄養素で、筋肉や内臓など、わたしたちの体のあらゆる組織が、たんぱく質でできています。また、人間が活動するためのエネルギー源となっています。栄養バランスのなかでたんぱく質の摂取量を確保しないと、筋肉の量や質が低下し、フレイルを招きやすくなります。今回、高齢者のフレイル予防の観点から、65歳以上のたんぱく質の摂取基準の下限を、1日の摂取エネルギー量の13%から15%に引き上げられました。たとえて言うなら、朝食に牛乳コップ1杯を必ず足して、夕食に豆腐を1/3丁加えるといったイメージです。
65歳以上では、少なくとも1日に体重1キロあたり1グラム以上のたんぱく質を摂取することが望ましいとされています。(体重が60kgの人なら、60g)たんぱく質が豊富に含まれている食品には、魚・肉・とうふ・乳製品などがあります。
□ビタミンD

★ビタミンDも、不足すると高齢者にとっては要介護のリスクにつながるので大事な栄養素です。

ビタミンDは骨の発育に欠かせない栄養素であり、特に高齢者でビタミンDの不足した状態が長く続くと、骨粗しょう症をきたし、骨折のリスクが高まります。
また、ビタミンDは筋力維持にも大きくかかわっており、ビタミンDが不足すると、転倒のリスクが高まります。
ビタミンDが不足することで骨折や転倒のリスクが上がり、結果的に介護の必要な状態になりやすくなってしまうのです。

ビタミンDは、きのこ類に含まれるビタミンD2と、魚に含まれるビタミンD3に分類されます。
また、食べてとるだけではなく、日光の紫外線を浴びることにより、皮膚でも作られます。日照により、皮膚でビタミンDが産生されることを考えると、フレイル予防にあたっては、適度な日光浴は有効な手段です。

基本的にはバランスよく食べることが大事です。

菓子パンや麺類など単品メニューではなく、肉、魚、乳製品、大豆製品など、たんぱく質を多く含む食品をおかずに1品入れましょう。好きなものだけに偏らず、少量でバランスよく食べることが大切です。

実際のメニューとしては、いろいろな工夫が考えられますが、高齢になると料理を作ること自体、ままならない場合もあります。
そんな時、冷蔵庫の中に乳製品や卵などを入れておけば、さっと出してそのまま食べたり、のんだりできて、必要なたんぱく質やビタミンをとることができます。

フレイル予防 ②適度な運動をしましょう!

高齢者に対し適切な運動療法を行うと、筋力低下に対しては高齢者であっても運動療法によって筋力が維持される、ということが一部研究で報告されています。運動療法は個人に合ったものから始めることが大切です。ベッドの上で足の運動を行うことから始まり、椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返したり、歩行距離を徐々に延ばしていくように運動強度を調整します。筋力が低下している状態で、いきなり立ち上がったり、無理に歩行しようとすると転倒や骨折を起こす危険があります。

フレイル予防 ③社会性っていったい?
社会性とは、人とのつながりです。「社会性」は、人と人との繋がりのなかでワイワイガヤガヤとコミュニケーションをとることや、団体の中で何らかの役割を持つことにより補完されます。
なので、社会性は制度で支援できないものと言えるでしょう。
ご近所同士のお付き合い、友人知人とのお付き合い、自治会活動、ボランティア活動などなど、人によって様々な「つながり」があると思います。このつながりを大事に継続していくことが「社会性」を担保することに繋がります。
ただし、身体能力の低下や様々な疾患によってはこの「つながり」を保持することが難しいこともあると思います。そんな時は、制度での支援なども活用して生活を支えつつも、できれば友人づきあい、ご近所とのお付き合い、趣味活動などなどその人が大切にしている「つながり」を途切れさせないようにしていただければと幸いです。
専門職の皆さんに向けて
 このように社会性を保持することは、フレイル予防の中でも非常に重要ですが、その維持には制度等では対応ができません。むしろ、制度の利用がその人の大切にしている「つながり」を切ってしまう可能性もあります。
難しい場合もあるとは思いますが、できれば「つながり」を断ち切らない、逆に「つながり」を継続できるような公的支援の利用が行えるとうれしいです。
最後に
いかがだったでしょうか?今回はフレイル予防についての重要性と特に社会性の保持について視点を置いて記事を書いてみました。専門職の方は基本的にはフレイル状態、あるいは要介護状態になってから関わることが多いと思います。制度では生活を支えることで精いっぱいということも多いと思います。しかし、できればフレイルあるいは要介護状態からの改善を目指して様々な立場の方同士、専門職もボランティアも民生委員さんご近所の方、行政機関、医療機関など立場を超えて協力できる社会になればと夢想しています。

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