【鍛える方法】ストレスに負けないレジリエンス【三つのステップ】

専門職向け

皆さん、こんにちは!

新しい年度が始まって早一か月、ゴールデンウィークも終わろうとしています。世間では五月病が流行る時期で、ストレスで心が疲弊しやすい時期になってまいりました。

転職した、異動があったなど、新しい職場や環境では意識していなくても大きなストレスを受けるものです。

平成24年労働者健康状況調査によると

就業者の約6割が職場で何らかのストレスや不安、悩みを抱えて働いている。その主な原因は「人間関係の問題」「仕事の質の問題」「仕事の量の問題」である。

皆さんは、いかがでしょうか?上司との関係などで悩んではおられないでしょうか?(もしくは、反対の部下との付き合い方など・・・・)

様々なライフイベントがある中で、私達一人一人がストレスを感じ、心が折れてしまうというリスクがあります。

そこで今日は、このようなストレスやプレッシャーとうまく付き合う技術である「レジリエンス」について紹介していきたいと思います!!

 

レジリエンスとは、心にもともとある「元に戻る力」「立ち直る力」「へこたれない心」をうまく引き出す技術です!

レジリエンスの歴史

「厳しい生育環境の中にありながらも良い適応を示す子どもの研究(Werner, E.E., Biermanら)」「重篤な精神疾患をもちながらも適応的な社会生活を
送っている患者についての研究(Garmezy)」

が1970年代に報告されたの最初見たいです。

この後、30年以上かけてレジリエンスが研究されてきますが、最も多く引用される定義はMasten etal.(1990)の「困難で脅威的な状況にもかかわらず,う
まく適応する過程・能力・結果」というものです。

また、アメリカの心理学会では

逆境,心的外傷,悲劇,脅威,人間関係問題,深刻な健康問題などから起こるストレスにうまく適応する力
*アメリカ心理学会

としています。

エミー・E・ウェルナー教授の研究

レジリエンスの最も有名な研究は、アメリカの発達心理学者であるエミー・E・ウェルナー教授が行った、ハワイのカウアイ島の698人の乳児を対象として、1955年から30年間もの間、縦断的研究を行ったものです。

ウェルナー教授は周産期から1、2、10、18、および32歳までカウアイ諸島で1955年に生まれたすべての子供を追跡。

当時のカウアイ島は不安定な状況であり、精神疾患のある母親の養育 アルコール依存症の家庭 失業家庭 不安定な家庭環境があった。

これらの環境で育った子供たちの多くは、非行に走ったり、体の問題を抱えていた。

一方で全体の30%ほどの子供たちはそのようなリスクのある環境でレジリエンスを発揮し、心理的に成長していくことが明らかとなった。

ウェルナー教授の研究によると危険な状態を乗り越えていくためには社会のつながりの中で得ることのできる「暖かいコミュニティに所属する」ことが大事であることがわかりました。

レジリエンスの高い人の三つの特徴

回復力

困難に直面しても、すぐに元の状態に戻れる、心のしなやかさを持っています。柔軟さはレジリエンスの高さの証です

弾力性

予想外のショックやストレスなどがあっても、弾力がある心で耐えることができる人です。いやなことを言われたり、批判されても、心の傷とならずにま持つことができます

適応力

予期せぬ変化に抵抗するのではなく、それを受け入れて合理的に対応できす志向の持ち主です

レジリエンスが実は誰もが持っています!

前述した、特徴やレジリエンスの力は本来誰もが持っているものです。ただし、ストレスや失敗体験が原因でレジリエンスが消耗してしまうことがありなす。

レジリエンスが弱ってしまうと、いざという時に力を発揮できません。体の健康と同じように、レジリエンスも普段からケアする必要があります。

レジリエンスの三つのステップ

①底打ち

困難に直面したり、落ち込んだ時には、不安や心配、憂鬱感、罪悪感などのネガティブな感情が渦巻きます。これらの感情は、考えれば考えるほど「負の連鎖」を起こし、強くなってしまいます。

考えないでおくことができないのですが、気分を紛らわせたり、思い切って寝たり、他のことをやってみたりあらゆる手段で、思考を別のものにして、不の感情の連鎖を断ち切り、心の落ち込みを底打ちすることが必要です!

②立ち直り

心の落ち込みがとまったら、次は困難に挑戦して、乗り越え前進します。これも言うのは簡単ですが、心を奮い立たせて挑戦する勇気が必要となります。

③教訓化

過去の体験を振り返り、次につなげるための内省を行います。できれば、心の痛みが薄れたころに行いたいです。

このような、挑戦や実践がレジリエンスの糧となり、レジリエンスが鍛えられていきます!

※補足 ネガティブな感情について

まず、ストレスは心を弱くします。ストレスが高い状態では、心がもやもやしてトラブルに対処できにくくなります。しかし、ストレスを完全になくすのも現実的ではありません。そこで、うまくトラブルに対処するために「自分の心の持ち方、捉え方の「癖」を知る」ことから始めましょう!

ある程度、自分の捉え方の癖が把握できるとその対処方法も分かってきます。そして、癖がわかると少し自分の感情がコントロールしやすくなります!

自分のネガティブな感情をコントロールすることで、不の連鎖を断ち切ります

感情コントロールのコツは感情にフタはしないことです。

しかし、感情を抑え込んでも、そのまま消えたりはしません。あまりにも、抑え込みすぎると「バーンアウト」する場合もあります。

実はネガティブな感情はポジティブな感情より強いんです。しかも、何度も何度もリフレインされる傾向があります。これをネガティブバイアスをよんだりします。

また、感情は感染します。イライラが伝搬したりするのを経験されたこともある方も多いと思います。これが「感情バンパイア」です。

このように、ネガティブな感情には様々なデメリットがあります。しかし、実は悪いことだけではなく、ネガティブな感情は強い分、行動を生起させやすいという特徴もあります。これをうまく使うと、例えば、怒りはやる気を高めたり、不安は注意を促す行動に繋がったりします。

要は、感情を爆発させず極端な行動に出ないようにすることが大事です。

レジリエンスの鍛え方

ネガティブな感情に振り回せされず、感情を底打ちさせる方法

呼吸法でクールダウン

鼻からゆっくり息をすう(4秒)

鼻からゆっくり息を吐く(6秒)

息の流れに意識を向けて、これを3分間続けます(ゆっくり10回くらいが目安)

感情にラベルを付ける

自分の内心にあるモヤモヤしたものに名前を付けることで、見える化します。

脳科学の研究では、心に浮かんだ映像や考えに「ラベル」をつけることで、偏桃体が静まることがわかっています。

つまり、名前のないものをラベリングすることで脳は自然と静まります。

これを繰り返すことが訓練になるでしょう!

ストレスの宵越しをしない

その日溜めたストレスは、なるべくその日に解消しましょう!

おすすめなのが

①エクササイズ、ダンス等の運動系

②演奏、音楽鑑賞、カラオケなどの音楽系

③ヨガ、瞑想、、散歩などの呼吸系

④ライティング、日記、手紙などの筆記系

これらのなかから自分に合うものを普段から探しておくといいと思います

最後に

いかがだったでしょうか?

今回の記事は実はすごく当たり前のことで、皆様もすでに実践されたり、意識せずに行ったりしているのではないでしょうか?

しかし、新し環境になるとそのような生活のリズムが崩れて結果的にレジリエンスも崩れるということなのだと思います。

新たな環境で今一度、生活リズム、レジリエンスを見直してみるといいかもしれませんね!

 

 

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