【地域福祉を考えてみた②】住民と専門職が協働するために
前編では、住民主体とコミュニティソーシャルワークの間に潜在的な対立構造があること、特に個別課題から地域課題への位相転換において住民の客体化が生じることを論じました。しかし、理念だけでは実践は変わりません。 「住民と専門職が対等に協働する」と言うのは簡単ですが、実際の現場では様々な困難が生じます。 個人の最善の利益と地域全体の利益が対立した時、どう調整するのか? 住民の主体性を尊重しながら、専門的支援をどう提供するのか? 一人のソーシャルワーカーが個別支援と地域支援の両方を担う時の役割葛藤をどう解決するのか? これらの課題を解決し、真の住民主体を実現するために、私は「機能分化型包括連携モデル」を提案します。ただし、このモデルには新たな対立構造を生む可能性もあります。その解決策も含めて詳しく論じます。