ケアマネジャーの業務の中で、毎月の「モニタリング訪問」は最も重要な法定業務の一つです。しかし、移動と面談に追われ、記録が後回しになっていませんか?
「特段の変化なし」と書いてしまいそうな時こそ、ケアプランのPDCAサイクルを意識した記述が求められます。
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1. モニタリング記録に必須の「4要素」
厚生労働省の指針や実地指導のポイントを踏まえると、以下の4項目が網羅されている必要があります。
目標の達成状況:ケアプランの「短期目標」に対してどう変化したか。
サービスの実施状況・満足度:各サービスが適切に提供され、本人が納得しているか。
新たな課題(アセスメント):心身の状態、生活環境、家族の意向の変化。
プラン継続・変更の根拠:なぜ今のプランを続けるのか、あるいは変えるのか。
2. 【項目別】そのまま使えるケアマネ実務文例集
① 短期目標の進捗確認(PDCAの評価)
「目標に対してどうだったか」を具体的に書きます。
目標:週2回のデイ通所で交流を図り、孤立を防止する
文例: デイサービスは週2回休まず利用中。他利用者との囲碁対局を楽しみにされており、表情も以前より明るくなっている。短期目標「孤立防止」は順調に達成過程にある。
目標:福祉用具を活用し、自力で安全にトイレへ移動する
文例: 手すりを使用してのトイレ移動は定着しているが、夜間にふらつきが見られるとの訴えあり。現段階では目標達成と言えるが、夜間の安全確保に新たな課題が生じている。
② サービス事業所への評価・適合性
事業所からの報告書と、本人の語りを照らし合わせます。
文例: 訪問介護のヘルパーによる調理援助について、「味付けが自分に合っていて助かる」との発言あり。ケアプラン通りのサービス提供がなされており、本人・家族ともに満足度は高い。
③ 変化の兆候(新たなアセスメント)
「変化なし」を回避するための着眼点です。
文例(認知機能): 以前は自身で管理できていた薬の飲み忘れが、今月に入り3回確認された。カレンダーの認識も曖昧になっており、認知機能の低下が疑われる。主治医への情報提供が必要と判断。
文例(家族状況): 主介護者である長男に仕事上の変化(残業増)があり、夕食の準備に支障が出始めている。家族のレスパイト(休息)を含めた検討が必要な段階にある。
3. 実地指導で差がつく「今後の方向性」の書き方
記録の締めくくりに「なぜこのプランを続ける(変える)のか」の根拠を添えます。
| 判定 | 文例(フィードバック) |
| プラン継続 | 「現在のサービスによりADLの維持・安定が図られており、本人・家族の意向とも一致するため、現行プランを継続する。」 |
| プラン変更 | 「ADLの低下(歩行不安定)に伴い、転倒リスクが高まっている。安全確保のため歩行器の導入を検討し、次月よりプランを変更する。」 |
| 暫定対応 | 「体調不良による入院のため、一旦サービスを停止。退院支援会議の結果を踏まえ、再開時にプランを見直す予定。」 |
💡 効率化のテクニック:訪問前の準備が9割
記録を早く終わらせるコツは、**「訪問前に前月の課題を頭に入れておくこと」**です。
「先月仰っていた腰の痛みはどうですか?」
「デイサービスの新しいレクには参加されましたか?」
このように、前回の記録に基づいた質問を投げるだけで、モニタリングの質と記録の具体性は劇的に向上します。
記録がマンネリ化しないために、よくある状況を専門的な表現に言い換えるリストです。
| 状況 | 一般的な表現 | 専門的な言い換え(記録用) |
| 歩行 | フラフラしている | 下肢筋力の低下、または体幹の不安定さが見られる。 |
| 食事 | あまり食べない | 食欲不振、もしくは嚥下機能の低下により摂取量が減少。 |
| 意欲 | やる気がない | 自発性の低下、あるいは抑うつ傾向が伺える。 |
| 認知 | ぼけてきた | 見当識障害(時間・場所)の進行、短期記憶の減退。 |
| 家族 | 疲れている | 介護負担の増大(介護過重)、レスパイトケアの必要性。 |
| 満足度 | 喜んでいる | サービスの適合性が高く、自己効力感の向上が見られる。 |
| 変化 | 変わらない | 状態の維持・安定。現行プランによるQOLの維持 |
ケアマネが使えるアセスメントの視点図解(構成案)
ブログに掲載する際の「図解イメージ」として構成しました。以下の5つの窓(視点)を意識すると、アセスメントの漏れがなくなります。
【図解:モニタリング・アセスメントの5つ窓】
身体の窓(Health)
バイタル、食事摂取量、睡眠、服薬状況、痛み、新たな疾患の兆候。
生活の窓(ADL/IADL)
歩行状態の変化、トイレ動作、入浴、掃除・調理等の家事遂行能力。
心の窓(Mental)
表情、発言のトーン、意欲の有無、認知機能の変動、不安要素。
環境の窓(Environment)
室温、整理整頓状況、福祉用具の適合、近隣との関わり。
繋がりの窓(Network)
家族のサポート状況(疲労度)、サービス事業所からの報告内容、インフォーマルな支援。

3. 記事への追加:モニタリング記録を5分で終わらせるための「型」
【記録作成の黄金テンプレート】
「前回からの変化」(例:先月より足の浮腫が改善している)
「本人の語り」(例:「デイの入浴が楽しみ」との発言あり)
「専門的評価」(例:入浴によるリラックス効果が心身の安定に寄与している)
「今後のプラン」(例:現状の安定維持のため、現行プランを継続する)



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