皆さん、こんにちは!
今日は前回の続きで、フードバンクというか食料支援を包括的相談支援の観点から考えてみようと思います。
食料の寄附は重要な支援手段です。ただし、それに依存するリスクもあります・・・・
食料の寄附は、経済的に困窮している家庭にとって重要な支援手段となります。食料の確保さえも困難な状況下にある人々にとって、生きるために必要となる日々の食事を保証する上で非常に役立ちます。
ただし、ただただ食料を寄付することは、それに依存して生活を組み立ててしまうリスクがあります。食料の寄附をあてにしてしまって、本来食費として必要な費用を他の支出に充ててしまうなどの事例も実際にあります。
このような、依存リスクを緩和するためには、寄附だけでなく他の形態のサポートや自立を促す施策が求められます。特に 対象者の経済状況や健康状態を詳細に把握し、それに基づいた相談支援が必要とされると考えられます。
つまり、寄附を一時的な救済措置とするのではなく、生活の再建や自立支援のための一環として位置づけることが重要であるということです。
対象者のの自立を促すため、一般的な生活支援だけではなく、就労支援や住居支援、教育支援など、幅広い支援が必要となると考えられます。
食料寄附による貧困問題解決とその課題
フードバンクは、経済的に困窮している世帯への食料支援を行う重要な仕組みとして機能しています。フードバンク活動では、食品企業からの規格外品や一般家庭からの寄附品を受け取って、それを福祉施設や生活困窮者に無償で提供します。
メリットとリスク
メリット
フードバンク活動の最大のメリットは、直接的な食料支援により生活困窮者を助け、資源の有効活用を促進する点です。特に、貧困世帯の子供たちに食料を提供することで、彼らの成長を支える役割を果たしています。加えて、フードバンク活動は食品ロス削減にも貢献しています。
リスク
食料寄附は、寄附量に限りがあり、安定した供給が確保されなければ対象者が寄附に依存するリスクがあります。この依存は、対象者の自立を阻害する可能性があります。
依存リスクを避けるために
- 対象者のアセスメント:
- 経済状況や健康状態などを詳細に把握し、分析されたニーズに応じた支援計画を立てることが重要です。
- 包括的な相談支援:
- 食料支援に加えて、生活相談支援を行い、就労支援や住居支援、医療支援など必要なサービスにつなげます。
- 食料支援の位置づけ:
- 食料支援は、生活再建のための一時的なツールとして位置づけ、依存を避け、自立を促すための支援を行います。
包括的支援体制の構築
フードバンク活動が持続可能で効果的に機能するためには、行政や企業、その他の社会資源と連携し、包括的な支援ネットワークを構築することが求められます。これは、食品の安全性や衛生管理を確保するための基準を設け、品質管理を徹底することにも繋がります。
包括的な相談支援体制について
このように食料寄附は貧困問題解決に寄与しますが、リスクを軽減するためには、包括的な支援体制と連携した自立支援が重要です。持続可能な生活環境を整えながら、対象者が単に依存するのではなく、自らの力で問題を克服できるようサポートすることが必要不可欠です。
そこでここからは、包括的な相談支援体制について深めてみましょう!
包括的な相談支援体制とは
包括的な相談支援体制とは、地域住民が抱える様々な生活課題に対し、分野を超えて包括的に支援を行うための体制です。
目的
包括的な相談支援体制は、単一の機関では対応困難な複合的な課題を抱える人々を支援し、地域全体で支えることを目的としています。
相談支援の対象者
年齢や課題の種類を問わず、地域住民であれば誰でも相談できるものです。
相談支援の内容
生活困窮、介護、子育て、障害、健康、経済的な問題など、様々な課題に対応する必要があります。
相談窓口
市区町村の窓口、地域包括支援センター、社会福祉協議会などが相談窓口となります。
支援の流れ
- 相談窓口に相談します。
- 相談者の状況や課題を把握します。
- 関係機関と連携し、適切な支援計画を作成します。
- 支援計画に基づいて、必要なサービスを利用します。
- 相談者の状況を定期的に確認し、必要に応じて支援内容を見直します。
これだけを見ると通常一般的な支援と同じですね。
包括的な相談支援体制と既存の相談支援体制の違い
包括的な相談支援体制と既存の相談支援体制の違いは、主に以下の点にあります。
1. 対象とする課題の範囲
- 既存の相談支援体制: 特定の分野(例:介護、子育て、障害など)に特化した相談窓口が中心です。
- 包括的な相談支援体制: 分野を問わず、生活全般に関する様々な課題に対応します。
2. 支援の提供方法
- 既存の相談支援体制: 相談者は、課題に応じて複数の窓口に相談する必要がある場合があります。また、特に窓口間の連携がない場合があります。
- 包括的な相談支援体制: 相談窓口同士が、連携して、必要な支援を包括的に提供する体制です。複数の窓口で協力する方法と、なんでも相談を受ける窓口を設置する方法など、具体的な内容は市町村によって様々です。
3. 連携体制
- 既存の相談支援体制: 関係機関との連携が十分でない場合があります。
- 包括的な相談支援体制: 関係機関との連携を強化し、多角的な視点から支援を行います。
4. 相談窓口
- 既存の相談支援体制: 各分野の専門機関が相談窓口となります。
- 包括的な相談支援体制: 市区町村の窓口、地域包括支援センター、社会福祉協議会などが相談窓口となるなど、なんでも相談設置型と複数の既存の相談窓口や専門機関間が連携することによって、どこの相談窓口に行っても最終的に複合した問題の解決を可能とする連携型など市町村によって相談窓口のあり方は様々です。
5. 支援の重点
- 既存の相談支援体制: 個々の課題解決に重点が置かれる傾向があります。
- 包括的な相談支援体制: 課題の背景にある複合的な要因を把握し、根本的な解決を目指します。
まとめ
包括的な相談支援体制は、既存の相談支援体制の課題を克服し、地域住民がより安心して相談できる体制を構築することを目的としています。
ただし、包括的な相談支援体制はまだ発展途上であり、地域によって体制やサービス内容に差がある場合があります。
詳細については、お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
フードバンクと相談支援体制
最後にフードバンクと包括的な相談支援体制の関係について整理してみましょう!
フードバンクと包括的な相談支援体制は、どちらも地域住民の生活を支える重要な役割を果たしていますが、その関係性は密接であり、相互に連携することでより効果的な支援を提供できます。
フードバンクの役割
フードバンクは、まだ食べられるのに廃棄される食品を企業や個人から寄贈してもらい、生活困窮者や福祉施設などに提供する活動です。食料支援を通じて、生活困窮者の食生活を支えるとともに、食品ロスの削減にも貢献しています。
包括的な相談支援体制の役割
包括的な相談支援体制は、生活困窮、介護、子育て、障害、健康、経済的な問題など、様々な課題を抱える地域住民に対し、分野を超えて包括的な支援を行う体制です。相談窓口では、専門の相談員が相談者の状況や課題を把握し、関係機関と連携して適切な支援計画を作成します。
フードバンクと包括的な相談支援体制の連携
フードバンクと包括的な相談支援体制は、以下のような連携を通じて、より効果的な支援を提供できます。
- 食料支援と生活相談の連携: フードバンクの利用者に、食料支援だけでなく、生活上の様々な課題に関する相談支援を提供することで、根本的な解決を目指します。
- 相談窓口への情報提供: フードバンクは、生活困窮者の情報を包括的な相談支援体制の相談窓口に提供することで、早期の支援につなげることができます。
- 関係機関との連携強化: フードバンクと包括的な相談支援体制の関係機関(社会福祉協議会、NPO、医療機関など)が連携を強化することで、多角的な支援を提供できます。
連携のメリット
フードバンクと包括的な相談支援体制が連携することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 支援の質の向上: 食料支援と生活相談を組み合わせることで、生活困窮者のニーズに合ったきめ細やかな支援を提供できます。
- 早期発見・早期支援: フードバンクが生活困窮者の情報を相談窓口に提供することで、課題の早期発見・早期支援につながります。
- 多角的な支援: 関係機関との連携を強化することで、生活困窮者が抱える複合的な課題に対し、多角的な支援を提供できます。
まとめ
フードバンクと包括的な相談支援体制は、それぞれが地域住民の生活を支える重要な役割を果たしていますが、連携することでより効果的な支援を提供できます。両者の連携を強化することで、生活困窮者の生活の安定と向上に貢献できるでしょう
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は前回と併せて、フードバンク、フードドライブの機能と整理しソーシャルワークや包括的な相談支援体制との関連について書いてみました。
食事は生きるための最低限のニーズでありもっとも重要な生活の営みです。ここに支障をきたす世帯の背景には経済的困窮はもちろん様々な分野にまたがる問題があることが容易に想像できます。
市民の目線からこれらを見た時に、生活を立て直す努力をするのは当然当事者にはなるのですが、その自立をサポートするための機能としてフードドライブが位置付けられ、他の相談窓口や専門相談機関と連携ができるような包括的な相談支援体制になればいいなと思いました。
この包括的な相談支援体制は、社会福祉法に位置付けられた包括的支援体制の一つであり、重層的支援体制整備事業では多機関協働やアウトリーチなど事業化されているものになります。
これは全国で画一的な制度として運用されるのではなく、これまでの取り組みなども含めた各市町村の実情に合わせて実現すべしと国からは示されています。
皆様の市町村ではどんな風な取り組みとして実現されているでしょうか?ぜひ調べてみてください!
ご意見ご感想等はコメント欄からお待ちしております!
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